【中小企業庁】中東情勢の変化等による原材料価格・エネルギーコストの上昇を踏まえた適切な価格転嫁等に関する中小受託事業者に対する配慮について

2026.03.30

 現在、中東情勢の影響による原油価格の高騰や、原材料価格の上昇により、中小企業・小規模事業者の収益が圧迫されることが強く懸念されております。
 こうした背景を受け、中小企業庁より事業所の皆様へ以下のご案内がございます。

1.取適法・振興法の遵守、サプライチェーン全体での取引適正化
 中小受託事業者と委託事業者との取引については、本年1月1日に施行された中小受託取引適正化法(製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(昭和31年法律第120号)。以下「取適法」という。)において、協議に応じない一方的な代金決定を禁止するほか、通常支払われる対価に比べ著しく低い代金を不当に定める「買いたたき」や、有償支給原材料等の代金を支払日より早く支払わせることなどを禁止しています。
 また、受託中小企業振興法(昭和45年法律第145号。以下「振興法」という。)第3条に基づく「振興基準」においても、「取引対価は、合理的な算定方式に基づき、中小受託事業者の適正な利益を含み、中小受託事業者における賃金の引上げ、労働時間の短縮等の労働条件の改善が可能となるよう、委託事業者及び中小受託事業者が十分に協議して決定するもの」とされています。
 これらを踏まえ、中小受託事業者から価格交渉の申出があった場合には、積極的に応じ、原材料価格、エネルギーコスト、労務費等の上昇分を考慮した上で、十分に協議を行い、取引対価を決定するなど、適切な価格決定を行ってください。特に、直近で急激に価格が上昇している原材料・エネルギー等を使用して製品等を製造している事業者に対しては、当該原材料・エネルギー等の価格上昇分を取引対価に反映するため、通常の価格改定の時期を待たずに積極的に協議を行うなど、特段の配慮をいただきますよう、お願いいたします。
 さらに、独占禁止法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号))では、取引の対価の一方的な決定や、不当な減額、支払遅延など、取引上の優越的地位を利用して、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与える行為を禁止しています。
 取適法や振興法、独占禁止法の趣旨を踏まえ、原油をはじめとする、原材料・エネルギー等の世界的な供給不安定化や価格上昇が危惧される中においても、中小企業・小規模事業者が賃上げを継続できる環境を整備するため、取適法の対象取引に限らず、サプライチェーン全体での価格転嫁・取引適正化に取り組んでいただきますよう、お願いいたします。

2.相談窓口・資金繰り支援の周知
中小企業庁では、昨今の国際情勢や原油価格高騰などにより影響を受ける中小企業・小規模事業者を支援するため、全国約1,000箇所に「中東・ウクライナ情勢・原油価格上昇等に関する特別相談窓口」を設置しています(参考1参照)。
また、日本政策金融公庫等によるセーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)において、原油価格高騰をはじめとする原材料価格・エネルギーコストの上昇による影響を受けており、一定の要件を満たす事業者に対して、金利の引下げを実施しています(参考2参照)。
さらに、中小企業庁では、企業間の取引全般に関する相談について弁護士等の無料相談などで対応する「取引かけこみ寺」を全国48か所に設置し、各種の相談対応を行っています(参考3参照)。また、公正取引委員会では、「買いたたき」を含む取適法の解釈に関する相談を受け付ける「不当なしわ寄せに関する取適法の相談窓口」を設置し、相談を受け付けています(参考4参照)。
これらの取組について、会員企業をはじめとする関係事業者に広く周知をいただきますよう、お願いいたします。

3.取引適正化に係る調査への協力
(1)中小企業庁による調査
 中小企業庁は、毎年3月、9月に設定した「価格交渉促進月間」のフォローアップとして、本年4月から、中小企業30万社へのアンケート調査や、取引Gメンによるヒアリングを実施します。当該調査結果は、業種別に集計し公表するとともに、発注者ごとに価格交渉・価格転嫁等の状況を整理した「発注者リスト」を公表します。また、状況が芳しくない事業者に対しては、振興法第4条に基づく指導・助言、勧奨を実施しています(参考5参照)。
 本件調査は、取引先との関係について、実情を国にお伝えいただく貴重な機会ですので、アンケート票が届いた中小企業におかれは、ぜひ積極的に御回答いただきますよう、御協力をお願いいたします。

(2)公正取引委員会による調査
 公正取引委員会は、毎年、「価格転嫁円滑化の取組に関する特別調査」を実施し、令和7年度は令和7年12月にその結果を公表したところです(参考6参照)。当該調査では、価格転嫁を妨げていることが疑われる等の発注者に対し、立入調査の実施や注意喚起文書の送付を行ってきたほか、相当数の取引先について協議を経ない取引対価の据置き等が確認された場合には、事業者名を公表してきました。当該調査については、令和8年度においても引き続き実施する予定です。
 本調査は、価格転嫁を推進する上で事業者の皆様からの情報が非常に重要であるところ、アンケート票が届いた事業者におかれては、ぜひ積極的に御解答いただきますよう、御協力をお願いいたします。

4.違反行為に関する情報提供
 公正取引委員会及び中小企業庁は、「買いたたき」などの違反行為を行っている委託事業者に関する情報を中小受託事業者が匿名で提供できる「違反行為情報提供フォーム」を通じて、広範に情報を受け付けています(参考7参照)。
 法違反が懸念される取引の状況については、積極的に情報を提供いただきますよう、お願いいたします。
 公正取引委員会は、関係省庁と緊密に連携しつつ、中小受託事業者等から寄せられる情報も活用し、執行強化の取組を進め、取適法及び独占禁止法違反行為に対して厳正に対処していくこととしています。これらの取組についても、会員企業をはじめとする関係事業者に広く周知をいただきますよう、お願いいたします。


【参考1】中東・ウクライナ情勢・原油価格上昇等に関する特別相談窓口
https://www.meti.go.jp/press/2025/03/20260323004/20260323004.html
【参考2】日本政策金融公庫等によるセーフティネット貸付
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/07_keieisien_m_t.html
【参考3】取引かけこみ寺
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/kakekomi.html
【参考4】不当なしわ寄せに関する取適法の相談窓口
https://www.jftc.go.jp/soudan/soudan/shitauke.html
【参考5】「価格交渉促進月間」の取組及び調査結果
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/follow-up/index.html
【参考6】「令和7年度価格転嫁円滑化の取組に関する特別調査」の結果
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2025/dec/251215_tokubetsuchousa.kekka.honbun.html
【参考7】違反行為情報提供フォーム
公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/soudan/jyohoteikyo/kaitataki.html
中小企業庁
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/law_daikin.html



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